新潟県佐渡沖で6月から、新型の集魚灯を使ったイカ釣り漁の実証試験が行われている。
集魚灯でイカを集めて捕まえる漁は、ほかの漁と比べて経費に占める燃油費の高さが課題。新型集魚灯は省エネルギー効果が高く、9日に同県佐渡市の姫津漁港で開かれた現地見学会では地元漁業者らの関心を集めた。
実証試験は水産庁の補助事業で、東京のNPO法人「グローバル・コロキウム」(有馬朗人代表)が実施主体。新型集魚灯は、すでに街路灯などで利用されている電磁誘導灯を応用したもの。計算上は、従来のメタルハライド灯(メタハラ灯)の2割の消費電力で同程度の照度が得られるという。
県の働きかけなどで佐渡市が試験先に選ばれた。6月下旬、姫津漁協所属の「第二佐光丸」(19トン)に新型集魚灯を取り付け、試験を開始。メタハラ灯との漁獲量の比較や水中照度の計測、実際の燃油消費量などの調査を9月まで行う。
見学会では、泉田知事が「環境にも漁業者の財布にも、やさしい技術で、期待したい。うまく稼働すれば県も支援制度を考えたい」とあいさつ。試験の状況について、NPOメンバーの山内康英・多摩大教授は「海上という過酷な環境でも使える見通しはついた。メタハラ灯との混用が適切で、大量生産できる仕組み作りが普及への課題」と説明した。
第二佐光丸は現在、集魚灯90個のうち77個を新型に替えて操業。白瀬忠船長は「漁獲量はこれまでと変わらない。油代が高くなったときに助かるので、実用化を期待したい」と話す。白瀬船長によると、従来のイカ釣り漁では一晩の操業で燃油1000リットルを使うこともあり、その3分の1は集魚灯の電源確保に消費されるという。
県水産課などによると、県内船に対する小型イカ釣り漁業の許可件数が昨年は58件と、30年前の約2割に減少。漁獲量も491トンと10年前の4分の1程度に落ち込んでいる。イカ類の価格下落のほか、漁獲量に直結する光力競争も大きな原因と見られ、近年の燃油高で更に経営が圧迫されているという。
(2009年7月11日09時16分 読売新聞)
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