2009年07月31日

佐渡沖で新型イカ釣集魚灯試験

読売新聞から

 新潟県佐渡沖で6月から、新型の集魚灯を使ったイカ釣り漁の実証試験が行われている。

 集魚灯でイカを集めて捕まえる漁は、ほかの漁と比べて経費に占める燃油費の高さが課題。新型集魚灯は省エネルギー効果が高く、9日に同県佐渡市の姫津漁港で開かれた現地見学会では地元漁業者らの関心を集めた。

 実証試験は水産庁の補助事業で、東京のNPO法人グローバル・コロキウム」(有馬朗人代表)が実施主体。新型集魚灯は、すでに街路灯などで利用されている電磁誘導灯を応用したもの。計算上は、従来のメタルハライド灯(メタハラ灯)の2割の消費電力で同程度の照度が得られるという。

 県の働きかけなどで佐渡市が試験先に選ばれた。6月下旬、姫津漁協所属の「第二佐光丸」(19トン)に新型集魚灯を取り付け、試験を開始。メタハラ灯との漁獲量の比較や水中照度の計測、実際の燃油消費量などの調査を9月まで行う。

 見学会では、泉田知事が「環境にも漁業者の財布にも、やさしい技術で、期待したい。うまく稼働すれば県も支援制度を考えたい」とあいさつ。試験の状況について、NPOメンバーの山内康英・多摩大教授は「海上という過酷な環境でも使える見通しはついた。メタハラ灯との混用が適切で、大量生産できる仕組み作りが普及への課題」と説明した。

 第二佐光丸は現在、集魚灯90個のうち77個を新型に替えて操業。白瀬忠船長は「漁獲量はこれまでと変わらない。油代が高くなったときに助かるので、実用化を期待したい」と話す。白瀬船長によると、従来のイカ釣り漁では一晩の操業で燃油1000リットルを使うこともあり、その3分の1は集魚灯の電源確保に消費されるという。

 県水産課などによると、県内船に対する小型イカ釣り漁業の許可件数が昨年は58件と、30年前の約2割に減少。漁獲量も491トンと10年前の4分の1程度に落ち込んでいる。イカ類の価格下落のほか、漁獲量に直結する光力競争も大きな原因と見られ、近年の燃油高で更に経営が圧迫されているという。

(2009年7月11日09時16分 読売新聞)
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2009年07月09日

諫早湾干拓事業:農民と漁民の争い

朝日新聞2009年7月から

◇諫早干拓地調整池開門 地域内対立懸念

 「赤潮被害が出れば、県が起こした人災だ」――。長崎県が諫早湾干拓事業の調整池の北部排水門を開け、淡水を放出した3日午前、同県諫早市の小長井町漁協の約15人が市内の県諫早湾干拓堤防管理事務所に押し掛け、怒りをぶちまけた。一方、周辺の営農者は冠水被害を訴え、県に開門続行を求めた。「漁民をしっかり説得してほしい。地域内の対立が激化しないか心配だ」との声もあがった。


 漁民側はこの秋、養殖アサリの約10年ぶりの豊漁を期待している。富栄養化した調整池の水が湾内に一気に流れ込んだため、赤潮発生のおそれが高まり、アサリの死滅につながると主張する。しかも今は干満差が最少の時期で湾内の潮の流れは少ない。


 県によると、土地の低い干拓営農地や背後に広がる農地の冠水を防ぐために、調整池の水位を堤防外の海面より1メートル低く保っている。ところが、6月29日から断続的に降り続く大雨で、調整池の水位は30日からマイナス20センチ台にまで上昇していた。背後地の土地改良区の要望を受けて開門に踏み切ったという。


 県が北部排水門を開けるには、漁協との「事前協議」の紳士協定がある。県は、組合長と30日夜から連絡が取れなかったとして、独自の判断で北側の四つの門を開けた。


 開門を知った漁民側は「冠水被害から農業を守って開門したが、これで漁業に被害が出れば県による人災になる。補償してくれるのか」「背後地の冠水は、排水ポンプが未整備なせいだ」と県幹部を問い詰めた。県側が「(被害が出たとしても)排水との因果関係が特定できないので補償はできない」と突っぱねたため、漁民は集結して県庁に乗り込むことも検討している。


 ◇「開門が遅い」営農者ら抗議


 一方、背後地や干拓地の営農者ら約20人は3日、県庁を訪れ、「ずっと開門を求めてきたのに、なぜ遅れたのか」「排水を続けなければ、ほとんどの農地が水没する」などと訴えた。中村法道副知事は「予想以上に雨量が多く、判断が十分ではなかったかもしれない。4日も開門する」と応じた。


 諫早干拓土地改良区の高橋徳男理事長によると、先週から降り続いた雨で約280ヘクタールの水田のうち3分の1が冠水しているという。高橋理事長は「漁協には強行的な人もいる。県が弱腰になってまた開門をためらわないか」と懸念する。


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2009年07月02日

カツオが不漁

日経新聞 2009年6月から

 日本近海に来遊するカツオの水揚げ量が急減している。カツオの主要漁港である千葉県勝浦東京都八丈島の1〜5月の漁獲量は前年同期比5〜7割減少。6月も不漁傾向が続いている。黒潮に沿って北上する回遊ルートの変化や南洋での大量漁獲といった原因が指摘されている。卸値も5年前に比べ3〜4割高い。小売店の特売が減るなど影響が広がりそうだ。

 不漁の原因を特定するため独立行政法人、水産総合研究センター(横浜市)は今年度から近海のカツオ資源の調査を開始した。

 近海の一本釣りやひき縄漁での不漁が目立つ。勝浦の一本釣りの水揚げ量は1〜5月の累計で3742トンと前年同期に比べ半減した。八丈島では94トンと同7割減った。西日本では「4〜5年前から水揚げが減少傾向にあるが、特に今年は漁獲の落ち込みが大きい」(高知県のカツオ漁業関係者)ようだ。 (16:31)


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2009年06月28日

沿岸捕鯨問題は先送りへ

読売新聞2009年5月から

 【ロンドン=是枝智】国際捕鯨委員会(IWC)の作業部会は18日、日本の沿岸小型捕鯨の再開などを巡り、6月にポルトガルで開かれる年次総会での議論のたたき台となる報告書を発表した。ただ、再開の合意はなく、条件付きで沿岸捕鯨再開を認める方針を盛り込んだ今年2月の議長提案から目立った進展はなかった。協議は6月の総会に向けて続けるが、捕鯨国と反捕鯨国の対立から、最終結論は2010年に先送りされた。



 報告書では、5年間は150頭を上限にミンククジラの沿岸捕鯨を行うとの日本提案に関し、まずIWCの科学委員会が6月の総会で評価し、同委員会としての結論を10年の年次総会までに出すとしている。

(2009年5月19日01時28分 読売新聞)
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2009年06月26日

重回帰でアユの遡上量を予測

朝日新聞 2009年6月から

琵琶湖のアユが川を遡上(そじょう)する時期や量を予測する計算式を、滋賀県水産試験場の研究員酒井明久さん(42)が編み出した。湖の水温やアユの大きさなどのデータを数値化し、はじき出す。遡上のXデーや量は毎年大きく変動するため、正確な予測は水産資源の管理に役立つ。
 琵琶湖のアユは秋に孵化(ふか)して川を下り、冬は湖で過ごす。遡上は例年3〜5月に始まり、産卵期の秋まで半年にわたって続く。漁師は毎年、河口付近に「ヤナ」と呼ばれる仕掛けを作りアユを待つが、遡上時期には幅があり大きな関心事だった。

 酒井さんは「湖のアユが大きい年は遡上が早く、量も多い」と考え、琵琶湖のプランクトン量、湖の定置網にかかったアユの平均体長、水温などのデータを分析。それらを係数化してかけあわせたものを、琵琶湖西岸に注ぐ安曇(あど)川の過去14年分の漁獲実績と照らし合わせ、1日の漁獲量が100キロを超える「遡上開始日」を導く式を完成させた。

 初めて予測した昨年は、開始日を「4月20日」とはじき出し、実際にこの日漁獲量が初めて100キロを超えた。毎年100万匹単位で変わる遡上数も予測(261万匹)とほぼ一致する274万匹だった。

 今年は「5月2日」に始まり、6月までに199万匹が遡上すると予測。地元の北船木漁協によると、3月下旬から1日数十キロ単位で遡上が始まり、一時途絶えた後の4月30日、一気に100キロを超えるアユが上がってきた。それ以降も1日200〜500キロの漁獲が続いたという。

 酒井さんは研究成果を3月の日本水産学会で発表。今年の開始日についても「誤差の範囲内で上出来」と評価し、「琵琶湖を代表する水産資源のアユを安定的に管理することに役立てたい」と話す。琵琶湖のアユは、全国の河川で放流されるアユの約2割を占めているという。(大高敦)

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2009年06月23日

中国と北朝鮮の共同調査

日経新聞 2009年6月より


北京=佐藤賢】中国と北朝鮮は19日、2009〜10年の海洋の科学技術協力を定めた計画をまとめた。黄海の気候変動に関する共同研究のほか、観測衛星のデータを活用した海洋監視や海洋変化の長期予測などが柱。20日付の中国共産党機関紙「人民日報」が報じた。中国国家海洋局の代表団が平壌を訪問し、北朝鮮気象水文局の幹部と合意文書に署名した。
 5月に北朝鮮が2度目の核実験を強行したことを受け、中国政府は北朝鮮との輸出入管理を強化するなど北朝鮮に一定の圧力をかけているが、経済を軸とした実務協力は推進していることを裏付けた。技術協力は黄海で捕れる海産物など漁業資源の安定確保をにらんだものとみられる。 (19:22)


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2009年06月13日

規格外の魚を流通させる

産経新聞2009年5月から

 大きさが規格にあわなかったり傷があったりして正規の流通ルートに乗らない「訳あり鮮魚」を安く食卓へ届ける取り組みが、阪神百貨店(大阪市北区)と和歌山東漁協(和歌山県串本町)などの連携で進んでいる。27日から1週間限定で店頭販売されるが、同百貨店は「好評なら常設化も検討したい」としている。

 同漁協によると、定置網漁や巻き網漁では、規格に満たない小さな魚や水揚げの際に傷ついた魚などが混じり、多い時は半分以上が売り物にならない。こうした魚は漁師が持ち帰るか海に捨てているのが現状という。

 ただ、一般では見慣れない深海魚も含めて、規格外とされる魚は地元の家庭で消費されている。同漁協の吉田俊久組合長(52)は「工夫して食べればおいしい魚が多い」と話す。


 入荷が安定せず採算が合わないこともあって小売店側は敬遠してきたが、今回、同百貨店は漁協側と交渉して安さを実現。漁獲があれば、毎朝とれたての魚が店舗まで直送されてくるという。

 期間中は小さめのアジやイワシなどの入荷を予定しているほか、深海魚の一種「クロシビカマス」は刺し身や煮物にすると美味。同百貨店の担当者が事前に地元の漁師などを回って料理法を研究しており、店頭でレシピを紹介する。

 同百貨店の担当者は「実際に現地へ行ってみておいしく食べられることがわかった」と太鼓判。吉田組合長は「これで新たなニーズを発掘できればありがたい」と話している。

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2009年06月12日

黒いダイヤを守れ

日経新聞 2009年5月から

 漁港を使ったナマコ養殖が道内で相次いでいる。海岸で育てる場合に比べ散失しにくくなり生産効率が高まるほか、監視しやすいことで密漁の防止につながる。養殖用にコンクリートブロックを使うことで、建設業と水産業の連携を促し、地域経済を活性化する狙いもある。

 東海大学付属留萌臨海実験所(留萌市)は、留萌市、新星マリン漁業協同組合(留萌市)と共同で、市内の三泊漁港内を使ってナマコ養殖に乗り出す。6月下旬に1万匹の稚ナマコを放す。2007年に試験的に港内に放流した50匹が市場に出荷できる約200グラムサイズまで生育しており、養殖事業を本格化する。

 ナマコ養殖は、2―3センチ程度の稚ナマコになるまでは陸上の水槽で育て、その後、海に放流する。波や風など気候条件の厳しい道内では、沖合に拡散しやすく歩留まりが悪いとされる。漁港内で養殖すれば大半を散失させずにすむという。

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2009年05月10日

海砂採取と漁場の関係

Yahoo(読売新聞) 2009年5月

佐賀県唐津市沖の玄界灘の海底がヘドロ状に変わりつつある。

 生き物が姿を消し、アジの巻き網漁船は出漁をやめた。同じ海域でコンクリートの材料となる海砂が採取されており、一部の漁師らは採取が原因として中止を訴えている。この海域での採取と環境異変の因果関係は不明だが、県の調査でも唐津沖で大量の砂が消失したことが判明している。唐津の海に詳しい地元ダイバーに同行して海底の様子を探った。(森太、玉城夏子)

 ◆「まるでクレーター」◆

 灰色の粘土質の塊がねっとりと手にまとわりつく。海底40メートルからボートに引き揚げられたその塊は、砂ではなくヘドロだった。

 「海底は月のクレーターのようにでこぼこで貝殻が散乱している。海底にスコップを突き刺すとヘドロが煙のように舞う。自然の浄化作用の限度を超えている」。海砂が採取されている唐津沖約7キロ地点に潜った浪口志郎さん(62)は憤る。

 地元出身でダイビングショップを経営する浪口さんは一年の大半を唐津の海に潜って過ごし、その変化に詳しい。かつての海底は白砂がなだらかに堆積(たいせき)していたが、今では貝殻や石が散乱する別世界だ。生き物はいない。採取船がポンプで砂を吸い上げると海が濁る。濁りは時には何日も漂っている。これが少しずつでこぼこの穴の中に積もりヘドロになると指摘する。

 ◆関西で高い評価◆

 環境への悪影響から瀬戸内海では2006年までに海砂採取が全面禁止されるなど全国的に採取中止の動きが広がっている。唐津では砂業者「唐津湾海区砂採取協同組合」が1969年から県の認可を受け採取している。それまでは重機で海岸を掘っていたが、組合結成前後から採取船が沖合の海底から大型ポンプを使ってくみ上げ、船上で砂だけを選別、貝殻などは海に投棄している。

 同組合を巡っては、唐津海上保安部が07年、認可区域外で海砂を違法採取したとして砂利採取法違反で摘発し、組合などは罰金50万円の略式命令を受けた。県も採取を1か月禁止した。

 福岡市の元採取業者によると、瀬戸内海での採取が禁止された今、「唐津砂」と言えば関西のコンクリート業界ではブランド品として高く評価されている。

 問題は採取海域と漁場が重なっていることだ。「呼子のイカも小魚のイカナゴもきれいな砂に産卵する。良質な海砂のある場所は漁師にとっても好漁場なんです。イカナゴがいなくなればそれを食べるアジやサバも来ない」。浪口さんはそう訴える。

 ◆漁獲昨年ゼロ◆

 「漁師はあわれなもんよ」。巻き網漁船「常幸丸」漁労長の一宮勝さん(82)のしわの刻まれた顔が苦悩にゆがんだ。例年なら大型連休のこの時期から秋にかけてアジ漁が行われる。夜間集魚灯を煌々(こうこう)と照らし、7隻の船団で漁をしてきた。だが97年に1億4700万円あった漁獲高は07年には約150万円に。原油高も重なり昨年から出漁をやめて漁獲はゼロだ。25人の乗組員の大半は現在、土木作業などで生計を立てている。

 福岡長崎に挟まれた狭い海域では長崎県の砂業者も採取を始めた。一宮さんらは昨年秋、佐賀、長崎両県庁を訪れ、漁業対策をとるよう直談判した。だが佐賀県は「地元漁協が採取に同意すれば認可するしかない」と消極的立場だ。

 唐津市漁協には採取組合から毎年多額の「迷惑料」が払われている。漁協組合員の一人は「迷惑料は2億円だが、我々漁師は年間2万5000円もらうだけであとは漁協職員の給料になっている」と語気を強めた。

 ◆戻らない海◆

 「お月さんは漁師の神様よ。潮の流れを告げてくれる」。一宮さんが言った。一枚の写真がある。常幸丸の漁師たちが水面まで引っ張った網の中で、月光を浴びて銀色に輝く大量のアジがはねている。男たちの笑顔はもっと輝いている。

 唐津の豊かな海はもう戻らないのだろうか。岸壁では船底に藻が生えた常幸丸の船団が波に揺れていた。

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2009年05月07日

黄海でアメリカ調査船に中国漁船が接近

産経新聞 2009年5月から

 米国防総省は5日、中国と朝鮮半島の間に位置する黄海で今月1日、米海軍調査船が中国漁船に異常接近されるなどの進路妨害を受けたと発表した。同省報道担当官は「危険な行為だ」と批判した。
 米中船舶同士のトラブルは3月に南シナ海でも発生し、両政府が再発防止を約束したばかり。
 国防総省によると、中国本土から東へ約270キロ離れた黄海の公海域で、海洋探査中だった米調査船ビクトリアス(3、384トン)に2隻の中国漁船が二十数メートルまで接近。米側は警笛を鳴らし、消火ホースで放水するなどした。付近を航行中の中国海軍の巡視船がビクトリアスの救援信号をキャッチ。現場海域に駆け付け、漁船に警告灯で合図したところ漁船はビクトリアスから離れたという。
 AP通信によると、先月から今月にかけ、ほかに3回、同海域で米調査船が中国側の嫌がらせを受けるケースがあった。(共同)
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