2009年06月26日

重回帰でアユの遡上量を予測

朝日新聞 2009年6月から

琵琶湖のアユが川を遡上(そじょう)する時期や量を予測する計算式を、滋賀県水産試験場の研究員酒井明久さん(42)が編み出した。湖の水温やアユの大きさなどのデータを数値化し、はじき出す。遡上のXデーや量は毎年大きく変動するため、正確な予測は水産資源の管理に役立つ。
 琵琶湖のアユは秋に孵化(ふか)して川を下り、冬は湖で過ごす。遡上は例年3〜5月に始まり、産卵期の秋まで半年にわたって続く。漁師は毎年、河口付近に「ヤナ」と呼ばれる仕掛けを作りアユを待つが、遡上時期には幅があり大きな関心事だった。

 酒井さんは「湖のアユが大きい年は遡上が早く、量も多い」と考え、琵琶湖のプランクトン量、湖の定置網にかかったアユの平均体長、水温などのデータを分析。それらを係数化してかけあわせたものを、琵琶湖西岸に注ぐ安曇(あど)川の過去14年分の漁獲実績と照らし合わせ、1日の漁獲量が100キロを超える「遡上開始日」を導く式を完成させた。

 初めて予測した昨年は、開始日を「4月20日」とはじき出し、実際にこの日漁獲量が初めて100キロを超えた。毎年100万匹単位で変わる遡上数も予測(261万匹)とほぼ一致する274万匹だった。

 今年は「5月2日」に始まり、6月までに199万匹が遡上すると予測。地元の北船木漁協によると、3月下旬から1日数十キロ単位で遡上が始まり、一時途絶えた後の4月30日、一気に100キロを超えるアユが上がってきた。それ以降も1日200〜500キロの漁獲が続いたという。

 酒井さんは研究成果を3月の日本水産学会で発表。今年の開始日についても「誤差の範囲内で上出来」と評価し、「琵琶湖を代表する水産資源のアユを安定的に管理することに役立てたい」と話す。琵琶湖のアユは、全国の河川で放流されるアユの約2割を占めているという。(大高敦)

ここまで

posted by 水産科学 at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 資源管理/方策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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